前東京都議会議員 両角みのる
2013年12月17日

知事の選挙運動費用の収支報告書について物申す

◯両角委員 それでは、引き続きまして私から質疑をさせていただきたいと思います。
 ただいま理事会におきまして、答弁について、正確を期して誠実に対応していただきたいという申し入れがございましたので、ここからは、また知事の誠意のある答弁を期待させていただきたいと思います。
 まず初めに、先ほど、今回資料提供いただいておりまして、さらに各委員の皆さんからの質疑がございますので、それを踏まえるような形で質問させていただきたいと思いますが、初めに選挙運動費用の収支報告書に関連して、何点か伺わせていただきたいと思います。
 今回、この場で知事にご発言を求めましても、この件に関しては、詳細はちょっと不明であるというようなご答弁なので、ご答弁がいただけるかどうかということはちょっと定かではないんですが、しかしながら、先ほど小山委員からもご指摘があったように重要な問題でもありますので、私からまずは、報告書に事務員ということで、報酬が十七万円、何人か載っているということでありますが、これは実際には支払いがされているのか、いないのか、この部分をわかればお聞かせいただきたいと思います。

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◯猪瀬知事 細かいことについては僕はわかりませんので、この支払いの領収書がここにあるということで、これが支払われているんだろうというふうに理解していますが、それ以上のことはわかりません。済みません。

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◯両角委員 読売の、昨日委員会でも出されました十二月十五日の記事では、支払われているという方がもらっていないという、そんなような記事も載っておりますし、一方では、収支報告書には、支払っているという形で出ているわけでございます。
 もう一点だけちょっと確認をさせていただきたいんですが、これも知事、候補者ご本人ということで、詳細はつまびらかではないかもしれないんですけれども、新聞では、この活動内容につきまして、ビラ配りや街頭演説の際の交通整理などをこの方々がやられているというふうに出ているんですけれども、その部分については承知をされていますでしょうか。

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◯猪瀬知事 その部分についても、候補者としては知りません。

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◯両角委員 なかなか候補者として詳細まで把握ができないのかもしれないんですが、しかしながら、これにつきましては、先ほど来、問題が指摘をされているような重大な点でございますので、今後、この責任者としてやっていただいている鈴木秘書とよくこの事実確認をしていただきたいと、このように思います。
 続いて、今度は貸し金庫とお金の移動についてお伺いをしたいと思います。
 昨日、資料をいただきまして、その資料の中で、この貸し金庫について、今まで明らかになっていなかった貸し金庫が、この資料で明らかになりました。一つは、貸し金庫をご自宅のそばにある横浜銀行のつくし野支店、こちらに一つ、従来から借りていたと。もう一つは、この五千万円を預ける専用として、十一月の十九日に八十二銀行の青山支店に貸し金庫を契約したと。さらには、途中でこの八十二銀行については契約を打ち切って、横浜銀行のつくし野支店の貸し金庫のサイズ変更、五千万円が入る大きなものに変えたと。
 そんなような経過が、昨日の委員会で明らかになったわけでございますが、そして、この貸し金庫への入出庫の記録でありますが、八十二銀行の青山支店につきましては、十一月二十一日に、まず、この受領した五千万円を入れて、そして、それを五月十日の日に、横浜銀行のご自宅のそばのつくし野支店の大きくなった金庫にそのお金を移動したと。そして、九月二十五日に返却をしたというような流れとなっているわけでございますけれども、その中でも、昨日もございましたが、八月の二十四日、奥様からそのキーを、権限を得て、代理人と一緒にあけたということについては、実はこの資料にも漏れていたということでもございましたが、そこで、今の経過を踏まえて何点かお伺いしたいと思います。
 まず、一点でございますけれども、この二〇一二年の十一月二十一日、前日に知事が徳田毅さんから五千万円を受領して、そして麻布の事務所に寄られて、公用車で、夜、自宅に帰ってきて、そして先ほどのお話では、奥様と一緒にその数を確認したというものを、翌日の二十一日にこの貸し金庫、青山支店の方に入れているということでございます。
 ご答弁によれば、これは奥様が入金をしたということなんですが、まず一点目、この奥様が貸し金庫に入金をしたという時間なんですが、これは何時ぐらいかわかりますでしょうか。

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◯猪瀬知事 時間についてはわかりませんが、昼間だったと思います。

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◯両角委員 ちょっと確認をしたいんですが、この貸し金庫の利用記録というのは、時間も確認ができるものなんでしょうか。

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◯猪瀬知事 今回確かめたときには日付だけ確認できましたので、時間が確認できるかどうかについては、銀行に問い合わせてみないとわかりません。

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◯両角委員 時間が確認ができるのであれば、このそれぞれの利用の日の時間についても資料を提供いただきたいというふうに、まずは述べさせていただきます。
 この十一月二十一日は、まさに知事がその前日に五千万円を受領して、この二十一日の日は、知事の出版の翌日ということで設定をされて、出馬表明をやられた日であります。副知事を五年五カ月やってきた責任を重く受けとめているという知事、当時の猪瀬副知事が、石原後継として正式に名乗りを上げた日でございますが、この十一月二十一日の出馬の表明というのは、何時ぐらいにどこでやられていたんでしょうか、知事が。

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◯猪瀬知事 都庁に記録があると思いますけれども、わかりません。

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◯両角委員 これ、選挙に出る人間にとっては、出馬の会見というのは大変な節目で、ある面、かなり気を入れて、こういうことをやるんだということで、初めて公に表明をする場でありますから、なかなか記憶から消えるということはないと思うんですが、何でこういうことを伺ったかというと、例えば奥様がこの出馬の会見に一緒についてきてくださるとか、そういうケースもあると思うんですね。そこら辺のご記憶はいかがでしょうか。

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◯猪瀬知事 もうてんやわんやでしたから、このときの記憶ってほとんどないんですね。

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◯両角委員 なかなか選挙の経験というのは強烈で、みずからの経験でいえば、選挙と結婚式ぐらいしか、自分が主役、人生の主役になれるときがございませんから、そういった意味では、なかなか記憶をお忘れになるというのは、にわかには信じがたいんですけれども、それではもう一つ、このお金が実際に五千万円という、きのう五キロほどの重さになるということでありましたけれども、それを実際には一度、八十二銀行から、ことし五月の十日に一回出して、それを今度、つくし野の銀行の貸し金庫に移したということでございます。これも奥様が移されたということで答弁をされているわけなんですが、これは大体五月十日の何時ぐらいに、八十二銀行の方から出されて、そして何時ぐらいにつくし野の貸し金庫に入れられたんでしょうか。

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◯猪瀬知事 昼間だと思います。

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◯両角委員 多分、五千万もの大金でありますから、その感覚というのは、出したらすぐにそのままつくし野の支店に入れかえるということになるんではないかと思うんですが、こちらについても、この時間のわかる記録を示していただきたいと思います。
 ところで、奥様は、ご答弁によりますと、電車で行ったのか何で行ったのはちょっと定かではないということなんですが、車の運転というのはされていたんでしょうか。

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◯猪瀬知事 車の運転はしますが、近くのスーパーぐらいまでの運転という車の運転です。

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◯両角委員 そうすると、自家用車で運んだということではないという理解でよろしいでしょうか。

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◯猪瀬知事 そのとおりです。

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◯両角委員 この後、その女性のスタッフの方がまた出勤のときの件もあるんですが、この五千万という大金を一人で女性が持ち運ぶというのは、常識的には、大変これは危なっかしいことだなと、こんなふうに私は感じるわけなんですが、知事はこれは大変ちょっと危険ではないかなと思われなかったんでしょうか。

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◯猪瀬知事 余り考えていませんでした。

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◯両角委員 例えば、誰かちょっと付き添いみたいな方をつけて、サポートをしてあげるべきじゃないかななんていうふうには思われなかったんでしょうか。

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◯猪瀬知事 きのう示しましたが、普通のかばんですから、普通のかばんを持って歩いている人はいっぱいいますから、特に余り考えていませんでした。

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◯両角委員 普通のかばんの中身が五千万でありますから、運ぶ方とすると気が気でないかなという形であるわけですけれども、余り他の人をかかわらせたくなかったということかなと理解をさせていただきたいと思います。
 次いで、ことしの九月の二十五日、当初のお話ですと、九月の二十六日に、要は徳田秀子さんにこのお金を返したということでありましたけれども、この出金を、お金を貸し金庫、つくし野に奥様が移されて、そこから出したのは、誰が何時ぐらいに出したんでしょうか。

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◯猪瀬知事 九月二十五日のお話ですね。(両角委員「そう」と呼ぶ)九月二十五日にうちの会計責任者が、横浜銀行つくし野支店からお金を出して……(「時間は」と呼ぶ者あり)時間。それは間に合う時間ということになりますけれども、夕方までに鈴木特別秘書に届けなければ、鈴木特別秘書は夕方ぐらいにアポイントメントをとっているわけですから、それまでに間に合うような形で出金してきたというふうに思います。

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◯両角委員 それを、その会計の責任者、担当の方が九月二十五日夕方までにつくし野の銀行からお金を出して、それを鈴木特別秘書にはどのような形で、何時ぐらいにお渡しをしたんでしょうか。どこで。

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◯猪瀬知事 それについては余り詳しく聞いておりませんが。

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◯両角委員 このずっとお金を返すということが知事は気になっていたと。早く、一刻も早く返したいと。ただ、いろいろ公務があったり、日程が詰まっていて、そういう機を逸してしまったというご説明であったわけですけれども、この九月二十五日、ご本人に返しましたよという報告は、その日のうちにどなたからもらったんでしょうか。

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◯猪瀬知事 都議会の代表質問の日で、終わって、その後かその翌日に、お金は返したよという報告を受けていると思います。

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◯両角委員 それはどなたからでしょうか。

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◯猪瀬知事 お金を返したというのは、鈴木特別秘書から聞いています。

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◯両角委員 続いて、この女性のスタッフの件に関して伺いたいと思うんですけれども、きょうの資料で、金庫をあけた女性スタッフの名前ということで資料提供をいただいております。この確認なんですが、まず貸し金庫の代理人としてあける権限を持つことができたのは、この女性スタッフであるというようなことでよろしいかということを、まず確認させていただきたいと思います。

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◯猪瀬知事 うちの家内の件で苦労しましたので、つまり貸し金庫は、一人だけしか鍵を持っていないと手続が大変になるということがわかりましたので、今回は、自分は忙しいので、僕が貸し金庫の所有者になりますけれども、何かあったとき困るので、代理人というものをつけて、かわりに貸し金庫をあけてもらえるような形をつくったというのは、今回の反省から生まれたことです。

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◯両角委員 その女性スタッフは、実際に借用証が事務所に郵送をされてきて、開封をした、その人物と一緒であるかということと、それを貸し金庫に預けた方と一緒ということでよろしいでしょうか。

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◯猪瀬知事 貸し金庫をあけられるのは彼女だけです。

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◯両角委員 借用証の開封もこの方がやられたということでよろしいんですか。

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◯猪瀬知事 それはうちのどのスタッフがやったかわかりませんが、彼女が判断して貸し金庫に入れたということは間違いないですね。

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◯両角委員 先ほど来のお話で、この方は猪瀬直樹の会、いわゆる後援会で資金管理団体を兼ねている。そして、東京を輝く都市にする会、これは知事の確認団体、さらには選挙の収支報告書の事務担当者であり、会計責任者であると。三つ兼ねているということでございました。そして、猪瀬事務所のスタッフであるということなんですが、非常に選挙あるいは政治活動においても重要な役割を担っていらっしゃって、さらにこのオフィスイノセにおいても、四人、従業員の方がいらっしゃるというような、資料の中ではそういう説明なんですが、知事がかなり信頼をされているのかなと、こんなふうに感じるわけですが、このオフィスイノセにはどのぐらい在職をされていて、信頼を非常にしているということでよろしいんでしょうか。

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◯猪瀬知事 二十年ぐらい、オフィスイノセにおりますが、ただ、ボランティア活動等もしたりしておりますので、毎日必ずいるとは限りません。

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◯両角委員 ということは、非常勤ということですか。

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◯猪瀬知事 常勤のような非常勤のような、そういう状態です。

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◯両角委員 この方がいろんな局面で大変重要な鍵を握っているといいますか、知事が今まで説明をされてきたことについて、実際その証明を、ある面できるような方かなと、そんなふうに思っておりますので、確認をさせていただいた次第でございます。
 続いて、このお金の返却、二〇一三年の九月の二十五日の件についてちょっと伺いたいんですが、徳田毅氏個人からお金を借りたと、知事はおっしゃっています。その金銭を、お母さんの秀子さんに実際お返しになった。鈴木特別秘書を通してということでございますが、親族であっても別人格でありますから、母親に、Aさんという方に借りたお金をそのお母さんに返すというのは、常識では考えられないわけでありますけれども、毅氏には、秀子さん、お母さんに返すというときに、その旨を事前に、あなたには返せないけどお母さんに返しますからねということを事前に伝えて、了解を得ていたんでしょうか。

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◯猪瀬知事 それについては知りません。多分、木村さんがそういうふうな連絡役を果たしたのだというふうに想像できますが、それ以上のことはわかりません。

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◯両角委員 今お話をしたように、五千万という大金ですから、実際に血がつながっていても、離れて暮らしている親子であって、そちらの方にいきなり返しても、本人が知らないと、そんなことは承知しないよということも十分あり得るんではないかなと。ですから、ちょっと今の話については、にわかには納得しがたいということがあるわけですが、それでは、事前には定かではないということですが、事後には報告をしたんでしょうか。つまり、徳田毅さんに借りたお金については、お母さんの秀子さんに、何月何日に、九月の二十五日に鈴木特別秘書を通じて返しましたよと、そういうお話をしたのかしないのか、お聞かせをいただきたいと思います。

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◯猪瀬知事 借用証がすぐに戻ってきましたので、そういう話をしたんだということだと思います。

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◯両角委員 今、したんだと思いますということなんですが、伝えたというのは、知事ご本人は伝えていない。どなたが伝えたんではないかと、今おっしゃったんでしょうか。

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◯猪瀬知事 鈴木から報告を受けているのは、徳田秀子氏に五千万円をお返しして、そして借用証は木村氏の方から、木村氏の方からというのは、木村氏が徳田毅氏の秘書の方から預かってきた借用証を送ってきたというふうに、鈴木から聞いております。

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◯両角委員 そういう事実というか、そういう形があるので返したんですよというのは相手に伝わっているだろうというような、今、おっしゃい方なんですが、それでは、毅氏が返却をされたということを了解したから、今、借用証が知事のサイドに戻ってきたということでありますけれども、それでは、秀子さんへ返却がなされたという事実については、毅氏さんは、今のお話ですと、伝えたか伝えないかわからないけれども、借用証の行き来でそういうことだということですね。
 そうすると、今の流れを見てきますと、親子、別人格、親子といえども全然別人格で、しかも五千万という大金でありますから、このお金は徳田家という家から借りていたという意識をお持ちだったんでしょうか。

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◯猪瀬知事 徳田毅さんに借用証を書いたので、お金をお返ししたのは徳田秀子さんであっても、徳田毅さんから借用証が戻ってこないと返したことにならないというふうに思っておりました。

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◯両角委員 なかなか、そこが一般の常識では通じないというように思うんですね。別人格であるけれども、家として借りたんであればわかるんですが、それではもう一つ伺いたいと思うんですが、徳田家でないとすれば、これは徳洲会から借りていたという認識があったのか、ないのか。

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◯猪瀬知事 徳田毅さんとお会いして、徳田毅さんからお金を借りたという認識ですから、お返しするときも、本来だったら徳田毅さんに直接お返しするべき流れだというふうに思っておりました。二月四日のときにそれができなかったので、その後ずるずる、ちょっと長くなってしまったというふうな反省をしております。

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◯両角委員 もしそういうことであれば、ご本人に、実はお母さんに、なかなかお会いできないから渡しますよというような了解を得るのが一般的だろうというふうに思いますので、なかなかこのお話というのは、知事の思いと別に、理解が得られないんではないか、このように感じる次第でございます。
 次に、この五千万円についてお伺いをしたいんですが、実は一部の報道では、東京地検の特捜部が徳田秀子さんのご自宅を家宅捜査したと。その際に、紙袋入りの現金を発見して押収をした、そういうことが伝えられているんですが、その中で、このときに押収された紙幣の一部が封印が解かれ、輪ゴムでとめられていたと一部報道では伝えられております。全く手をつけていなかったというふうに、先ほどは、これは使っていなかったという意味なんですよというご答弁がありましたけれども、その五千万円が徳田秀子さんのご自宅で見つかったときに、そういう状態で、一部帯封が解かれ、輪ゴムどめがされていたものがあったよというような報道もあるわけですが、このような中で、その五千万円の一部を実際に使ってしまってということはないんでしょうか。

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◯猪瀬知事 その報道を僕も読みましたが、それで、何でそういう状態になっているのか、非常に不思議でした。つまり、何で帯封じゃなくてゴムになっているのかというのは、不思議な感じがしました。

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◯両角委員 今のは、知事は知らないと、不思議であるというようなことなんですが、それでは、ちょっと観点を変えてお伺いしますが、今、一部でやはりいわれているのが、そういった報道がある中で、五千万円の一部が選挙資金なりに実際に使われてしまって、その穴埋めのために新しい借り入れをされているというような話もちょっと流れてきているんですが、そのようなことはあるでしょうか、ないでしょうか。

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◯猪瀬知事 五千万円は全く手つかずの状態でした。

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◯両角委員 そうすると、お金は一銭も使っていないんですよというご答弁であります。
 それでは、知事選が十二月の十六日に、これは終わって当選をされているわけでありますけれども、当選をしてから、実際にこの借り入れたとされるお金を返済したという九月の二十五日、大体、実際にお金を返すまで、選挙が終わってからの間に、知事は新たな個人的な借り入れというのは行っていますか、いませんか。

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◯猪瀬知事 八月に金庫をあけてから借り入れをしたかということですか。

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◯両角委員 十二月の十六日、昨年のきのうです。当選をされて、選挙が終わってから、手つかずのその五千万、ありますよね。その五千万を実際に返したとされる九月二十五日までの九カ月余の間に、新たな借り入れを知事がなされているか、いないかということです。

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◯猪瀬知事 しておりません。

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◯両角委員 今、この十二月十六日、選挙が終了してから、知事選が終了してから、九月の二十五日、お金を返すまでの間、新たな個人的借り入れはしていないというのが知事の答弁でございました。それは、ここで確認をさせていただきます。
 次に、顧問弁護士さんについて伺いたいと思うんです。
 提出をいただいた資料の中で、顧問弁護士のお名前が出ておりまして、アンプクさんと読むんでしょうか。アンプクケンジ弁護士と読むんでしょうか。東京第二弁護士会所属の先生が顧問弁護士をしているということなんですが、この顧問契約は、いつからなさっているのか伺います。

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◯猪瀬知事 これ記憶ですが、おつき合いは三十年ぐらいのおつき合いで、都知事になってから、何かちょっとしたいろんなことがあったときに、顧問弁護士として、いろいろお願いをすることがたまにあります。

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◯両角委員 このアンプク弁護士は……。(猪瀬知事「ヤスフクと読みます」と呼ぶ)安福弁護士は、猪瀬直樹氏の個人の顧問弁護士ということでよろしいんでしょうか。

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◯猪瀬知事 個人の顧問弁護士です。

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◯両角委員 おつき合いが長いということなんですが、個人的な信頼関係があるということだと思うんですが、優秀な弁護士だと思われていますか。

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◯猪瀬知事 それは、大変優秀な弁護士だというふうに思っております。

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◯両角委員 この安福弁護士に、今回の件に関して、ご相談をされていらっしゃるんでしょうか。

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◯猪瀬知事 安福弁護士は、今回の件について、あくまでも顧問弁護士の範囲内でお話をしたことはあります。

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◯両角委員 顧問弁護士の範囲内で相談をされたということは、具体的に、どんなご相談をされて、どんなアドバイスをいただいたんでしょうか。

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◯猪瀬知事 ほかに小さな訴訟とか、幾つかありますので、そういったものにかかわっているということで、顧問弁護士としての役割を、たまにお会いして果たしてもらうということです。

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◯両角委員 そうすると、今回の件に関しては、安福弁護士にはご相談をされているということではなくて、他の小さなことを、別件をされていると。であれば、今回の件で、他にも相談をされている弁護士がいるのかどうか伺います。

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◯猪瀬知事 個人的に何人かご連絡したりすることはありますが、正式に、まだきちんと依頼してはいません。

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◯両角委員 今回の件について、相談されていることを、具体的に、いつから、どのような相談をされたかということを聞きたいんです。先ほど安福弁護士は、今回は、この件に関しては相談をされていないというようなご答弁でしたので、であれば、今、先ほどちょっとはっきりわからなかったんですが、相談は個人的にというか、されているやのご答弁がありましたので、今回のこの五千万の件に関して相談をされている弁護士というのは、どなたとどなたなのか、お聞かせをいただきたいと思います。

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◯猪瀬知事 正式にはいません。

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◯両角委員 そうすると、ビジネスというか仕事ではなくて、友人関係とか、そういう枠の中でアドバイスを得ている弁護士の先生がいるということでよろしいでしょうか。

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◯猪瀬知事 何人かの友人がおりますので、電話で話をしたりすることはあります。

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◯両角委員 なかなかやっぱり法的な問題に絡んできますので、政治的な問題だけでなく法的な問題をしっかりクリアするには、やっぱり法的知識の専門家である弁護士の先生に相談をしないといけないんではないか、なかなか心細いんではないかと思います。そういった意味で、友人のおつき合いが広いと思いますので、猪瀬知事の友人の弁護士からは、この件に関してどんなアドバイスをもらっているんでしょうか。
   〔傍聴席にて発言する者あり〕

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◯伊藤委員長 傍聴人の方に申し上げます。
 議事の妨害をするようであれば、ご退場願います。

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◯猪瀬知事 まだ個人的に話している段階で、正式に何かお願いする形にはなっていません。

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◯両角委員 正式にというのはわかっているんですが、しかしながら、今、代表質問、一般質問、ぶら下がり記者会見、さらには、総務委員会に場をかえて、本当に長時間、傍聴人の皆さんも、委員の皆さんも、そして知事も、職員の皆さんも詰めて、こういうやりとりをすると。そうした中で、やはり法的なアドバイスがないと間違ったことを答えてしまうとか、そこはやっぱり一線をしっかり頭に入れておくべきかなと、それが普通の考え方かなと思うわけなんです。
 十一月の二十二日から、もう一カ月たとうとしているわけでありますから、これは、やはり弁護士のアドバイスというのが何らかあるんではないかというふうにやっぱり思うんです。そこで、先ほど来、猪瀬知事からは、友人の弁護士に、契約という形ではなくて、一般論としてアドバイスをもらっているというような、そんなニュアンスの答弁でありましたが、それはどんなような内容の、こういうことをしっかり気をつけていかなくてはいけないんですよとか、どんなアドバイスがあるんでしょうか。

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◯猪瀬知事 それは個人的な会話なので、いえません。

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◯両角委員 そうですよね。弁護士は、アドバイスをして、弁護人として守るということが本来の職務でありますから。
 それでは、私も、もろもろこの委員会出席をさせていただいて、六月、七月に、議会に当選して、いきなりこういう事態に直面して大変戸惑っているわけではございますが、昨日は、猪瀬知事は、若干元気があったかなという感じがしたんですが、きょうは、全く覇気がないような感じもするわけです。そうした中で、今、定例会が閉会後も、この委員会というのがいつまで続くかわからない状況になっています。というのは、なかなか納得が得られていないからだと思います。
 そうした中で、今、都政の課題とすれば、十二月に新しいビジョンをつくりますよっていうことをいわれています。あるいは予算も編成をする。この新ビジョンや予算編成に影響が出ていると思うんですが、いかがでしょうか。

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◯猪瀬知事 新ビジョンについては、ずっと一年かけてやってきたものでありますから、もうすぐ、ある形に、もうでき上がってきております。ですから、もちろん、これから予算の問題になってくるので大変だと思いますが、できるだけ滞りのないように努力したいと思っております。

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◯両角委員 滞りのないように努力をされるということなんですが、実際には、いろんな方面で、都政が滞ってしまっているということだと思います。
 さらにいうと、今回の問題というのは、全国展開をする医療法人が政治力を使いながらグループを拡大していくという際に、政界に大量に徳洲会マネーが流れ込んでいるのではないかというようなことがいわれているわけでございます。お金により政治が動かされて、公正公平であるべき医療の分野は許認可等ございますから、その許認可等がゆがめられているんではないかというところが、この徳洲会問題の本質だと思うわけです。
 そして、今、検察が一番重要な関心を寄せているという中には、大物の政治家を含め、徳洲会マネーをもらった政治家リストというのも出回っているというようなことも聞くわけです。
 こうしたお金の一部が、仮に借り入れだとしても、五千万もの大金というものが、選挙のまさに直前、直前に猪瀬知事に渡っていたということに、都民が大きな衝撃と失望をしているというのが現状だと思います。こうした局面の中で、この東京にも、それもトップが、徳洲会マネーに染まってしまっていたということではないかと思います。
 都知事のこの職責というのは大変重いと思うんですが、しかしながら、今、なかなかこの議会とも答弁がかみ合わず、説明責任が十分果たされていると誰も思っていない中で、この混乱が続いていくということは、都民は誰も望んでいないと思います。しかし、我々議会としては、やはり事態が明らかになるように質疑を続けないわけにはいかないんです。しかし、こういう質疑もだんだん事実が、質疑もだんだんうんできて、もう早くどうにかしてくれと、要は都民としては、仕事をしてくれというのが都民の気持ちではないかと思うんです。
 都議会には、そういう責務もあるわけでございますが、十二月の十日のこの席で、私は、今、知事は、もう民意を失ってしまって、民意が基盤の知事が民意を失ってしまって、求心力と発信力を失ってしまっている。だから、東京が抱えるチャレンジングな課題に、もう対応できないじゃないか。だから、みずからの判断で職を辞して、都民の信を問うことがありませんかと聞きましたところ、知事は、そういうことも一つのあり方かもしれないけれど、それについては、今、述べることができないんだというご答弁がありました。
 それでは、今、それから、もろもろ委員会の審議等あって、状況も変わってきているのではないかと思いますが、今こそ、そういう段階ではないかと思いますが、知事の現段階においても、やはりそういう、述べることはできないんでしょうか。

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◯猪瀬知事 徳洲会病院について、東京都に徳洲会病院があるという認識がなかったと、これは非常に反省すべきことだと思っております。
 それから、徳洲会病院から何か頼まれたこともないし、こちらから徳洲会病院にお願いしたこともないと、そういう中で、五千万円をお借りしたということです。その責任は、とても強く感じております。
 そういう中で、都政が停滞するということが起きている状況が、今、生まれているとおっしゃって、そして、だったらどうするのだというふうにお問いになっているわけです。ですから、それについて、これから何ができるのか、いろいろ考えてみたいと。それは、あなたの求めているものと違うかもわかりませんが、まずは、来年一年間の給与返上ということを、まず、一つは提案させていただきました。
 それ以外に、あなたのおっしゃっているいろんな要望もあると思います。それは、いろんなことを考えて、これから先、臨んでいきたいと思っております。

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◯両角委員 一年間、これから、いろんな山を越えてやっていくような状況には、今ないと思うんです。ですから、そこを認識していただいて、この委員会を通じて、しっかり理解が得られないということであれば、きちっと出処進退を明らかにしていただくように要望して、質問を終わります。