20151216平成27年第4回定例会(第18号)

◯議長(川井しげお君) 五十一番両角みのる君。
   〔五十一番両角みのる君登壇〕

◯五十一番(両角みのる君) 私からは、知事提出議案第百八十七号外三議案に反対、その他全ての知事提出議案に賛成、議員提出議案第十八号に反対、同第十九号に賛成の立場から討論を行います。
 今定例会の所信表明において、知事から、新国立競技場本体整備費のうち三百九十五億円を都が負担することで国と合意したと報告がありました。
 五月に当時の文科大臣から新国立競技場整備への都負担を要請された知事は、根拠が不明確としてこれに強く反発し、各種メディアで情報発信を繰り返してきました。その後、競技場当初計画は厳しい世論の批判にさらされ、白紙撤回されましたが、これも知事が世論を喚起、リードしてきた影響が大きかったと感じます。
 開催都市が大会成功に尽力するのは当たり前ですが、これまでの姿勢から一転、負担を受け入れたことに対し、知事の姿勢や発言にエールを送ってきた都民は戸惑いを覚えており、今回の政策転換を知事は都民にしっかりと説明する責任を強く負いました。早急に「広報東京都」などで経緯を含めて説明を尽くすよう求めます。
 特別委員会答弁では、負担額の根拠は都民便益を総合的に踏まえて決定とのことで、具体的な積み上げ算定が行われているわけではなく、曖昧さが残ります。
 また、賃金、物価の変動や消費増税があった場合、持ち分に応じて負担が増加する内容であり、二〇二〇年に向けて賃金や資材が高騰する可能性を考えると、上限額が決められていない点で、今後の都財政への負担が心配をされます。
 そして、特に私たちが問題と考えるのは、合意文書を作成していない点であります。
 都は、競技場整備による都内への経済波及効果を約七千億円としておりますが、一方で、施設完成後には毎年多額の維持管理費が発生し、修繕費もかかります。便益も受けているのだからと、施設完成後の維持管理経費や修繕費を負担割合で分担するなどということはあってはなりません。
 また、都内には新国立競技場以外にも幾つもの国立施設があり、こうした施設も都民への便益を生むものであり、新国立競技場整備への都費負担が今後の前例となるようなことはあってはなりません。
 だからこそ、合意事項を文書化し、施設完成後の維持管理経費については国が責任を持つ、新国立競技場の都費負担を今後の国立施設整備への前例としないという二点を明文化しておくべきです。
 将来、都政に負のレガシーを残さないためにも、このことはぜひとも実行していただくよう強く要望いたします。
 ブエノスアイレスでのIOC総会で招致をかち取り、日本中が一つになり、希望と期待が全国に広がった都民広場の報告会の熱気は、今やエンブレムの取り消しなどにより、すっかりしぼんでしまいました。
 大会まで五年を切った今、もう一度、都民、国民が夢と希望を持って二〇二〇年に向かっていけるよう、開催都市として、知事、職員の皆さんだけでなく、我々議会も含めて頑張っていこうではありませんか。
 次に、個別の条例案について触れさせていただきます。
 初めに、第百八十四号議案について申し上げます。
 制定以来、約半世紀にわたり抜本改正がなされてこなかった行政不服審査法が改正され、明年四月一日から施行されます。
 法改正は、第三者機関の設置、審査請求期間の延長など、国民がより手続を利用しやすくしたものと評価できますが、条例で新設される東京都行政不服審査会の委員には、行政から距離を置く有識者を積極的に登用されるとともに、誰もが活用しやすい制度運用を求めます。
 続いて、給与関係の条例案について申し上げます。
 今定例会には、第百八十七号議案外給料、報酬等に関する一連の議案が上程されており、人事委員会勧告を踏まえて、公民格差解消のために本給と特別給を引き上げるとしております。
 しかし、人事委員会勧告は、中小零細企業が大多数を占める現状にもかかわらず、五十人以上の民間企業を対象としており、国民の景況感がいまだ本格的に回復していない中での引き上げ勧告は疑問視せざるを得ません。
 加えて、ことしは臨時国会が見送られ、国家公務員給与等は現時点で据え置き状態となっており、地方公務員法の均衡の原則からも問題を感じます。
 今回の人事委員会勧告実施に伴う所要経費は約百一億円に上るとされ、貴重な財源を給与引き上げに充てることが適当とは思えません。
 以上、今回の職員給与に関連する一連の条例案に反対するものです。
 次に、指定管理について申し述べます。
 都では、平成十八年以来、約二百施設に指定管理者制度が導入され、今回が三回目の指定がえです。
 ところで、今回の指定議案を見ると、四十四案件百六十四施設のうち、二つの例外を除き、その他は全て現行指定管理者と同じ事業者が指定をされています。また、選定方法に目を向ければ、本来、例外規定であるはずの特命による選定が約六四%に上るとともに、指定管理を請け負う団体の多くが東京都の監理団体となっています。
 こうした実情を見ると、制度本来の意義、すなわち多様な主体が広く民間のノウハウを活用し競い合い、その中で事業者を選定することで公の施設サービスを向上させるということができているか疑問を感じます。
 現在、指定管理者制度にはさまざまな課題が指摘をされております。いわく、適切な管理者が見当たらないという理由だけで外郭団体などに管理委託を継続して委ねる事例が見られる。いわく、管理者の弾力性や柔軟性ある施設運営の名のもと、公共施設として不適切な管理がなされている例がある。いわく、民間の実力が十分に発揮できていない等々です。
 総務局が指針を策定しておりますが、指定管理に関する現状を追認したような規定も散見されます。
 指定管理者制度が創設されてから十年以上がたちましたが、施設利用者の声に耳を傾け、しっかりとしたチェックと評価を行うことで制度本来の趣旨が生かされるよう、指定管理者制度の活用方策を早急に再検討することを要望します。
 最後に、税制改正について申し上げます。
 政府与党がまとめた平成二十八年度税制改正大綱では、地方税の一部を大都市圏から地方圏に再配分する見直しが盛り込まれました。
 この結果、都の収入減は、現在の年三千六百億円から四千六百億円に膨れ上がることが見込まれております。今回、一部自治体を狙い撃ちにして、地方の固有税源を国が取り上げ、再配分する仕組みは地方自治の原則、地方分権の流れに反するものといわざるを得ません。政権与党は、地方創生を進めるためとしておりますが、このような方法で地方創生を推し進める発想がそもそも間違っております。
 都には、地方分権の理念にのっとり、税制も含めた真の地方制度改革が進むよう、みずから研究、発信し、世論や国に対して戦略的に働きかけていくよう要望し、かがやけTokyoを代表しての討論といたします。