東京都議会議員 両角みのる
2019年9月12日

○両角委員 
昨年、大きな社会問題となりました森友、加計問題を通じ、公文書の管理や情報公開のあり方が注目を集めました。同時に、この問題は、改めて公文書が民主主義を支える基本的なインフラであるというコンセンサスを社会に広めることにもなったと思います。
 現在、都道府県の中でも、公文書館を有しない自治体が相当数あります。総務省の二十九年十月現在の調査ですと、公文書館を設置していない団体というのも、都道府県で十四団体あるということであります。
 このたび、東京都が公文書館法第四条の一項に基づく公文書館を建てかえして整備し、公の施設として条例設置をするということに対して、まず評価をしたいと思います。これを契機に、都の文書の適正管理と活用が一層進み、都政に資することを期待する視点から質問いたしたいと思います。
 まず、新公文書館について伺います。
 新公文書館は、二〇一四年三月の改築基本計画に基づき整備をされているわけでありますが、ハード、ソフトを通じたキーコンセプトと特徴を伺います。

○西山総務部長 
新公文書館は、公文書等を適切に保存、公開し、歴史公文書等の研究に資する役割を担うとともに、より多くの都民に利用しやすい施設となるよう、新たに公の施設として設置するものでございます。
 ハード面の特徴としては、外壁の二重化や太陽光発電設備など、最新の省エネ、再エネ技術を導入し、最適な温湿度管理の中で公文書等を適切に管理していくとともに、エントランスホールなどに多摩産材を使用してございます。
 ソフト面の特徴としては、都民の利便性向上を目的として、グラフィック、タブレット等を活用した展示施設で所蔵する重要文化財等を公開するとともに、インターネットで貴重な歴史資料の画像データを見られるデジタルアーカイブを整備することなど、情報発信の強化に取り組んでまいります。

○両角委員 
実は、きょう午前中に、西国分寺の新公文書館、建設中のところを見に行ってきたんですけれど、つい最近、工事囲いが外されたということで、全容が姿をあらわしています。いや、本当すばらしいですね。日本が誇る公文書館という感じの施設であります。
 その公文書館は、このパネル、これはちょっと古い……。見えないかもしれないですけど、ここは都立の多摩図書館がございまして、その隣の空き地、今はもう建ち上がっていますが、公文書館が今整備をされているというところであります。この図書館と新公文書館の間というのは、もう数メートルしかない。ここが都立武蔵国分寺公園という、非常に広い、広域の総合公園、東京都の公園になっている。そのすぐ、図書館の隣には総務省の情報通信政策研究所という研修所がある。ここら辺一帯は非常に雰囲気がいい。文教ゾーンというか、そんな感じで、都の公園、そして、図書館、公文書館が一体整備をされている。
 そして、きょう、見てきて感じたのですけれど、図書館と公文書館というのは、ほぼ同じような面積、同じような高さ、双子の施設だと、そういうふうに総合的に最初から考えて建てたのかなというふうに思って、東京都の公文書館として本当にすばらしい、このように改めて感じた次第でございます。
 今、コンセプト等があったのですけれど、いただいている資料や現場やパースを拝見しますと、開放的なエントランスホールが設けられる、ガラス張りの広々とした一般の閲覧室が設けられる、レファレンス機能が大幅に向上するということであります。
 また、先ほどお話がございましたように、デジタルアーカイブを推進し、インターネット上で、古文書等、館が保有する資料を広く都民に提供し、活用してもらうということが予定をされているようであります。
 さらに、今までの都の公文書館にない常設展や企画展などの展開に力を入れるということで、これまでの行政関係者や研究者のニーズに応えるだけではなくて、一般都民の公文書へのアクセスを意識した開かれた公文書館が構想されているんだなというふうに私は理解をいたしまして、大変よい方向であるなと感じております。
 しかも、立地が、自然、広域の総合公園がすぐ裏にあり、散策ができ、そして、JR西国分寺駅からも約十分に満たない、そんなアクセスという好立地ということであります。
 そこで、これだけすばらしいハードが整備をされるわけでありますが、新たな公文書館は、機能強化が図られていく中で、その運営体制がどうなるのかということが気になるところでありまして、運営形態については直営ということで聞いているわけでありますが、なぜ直営なのか。そして、館長さんは重要な役割を果たすと思います。館長さんの人選の基準、職員スタッフ体制について伺います。

○西山総務部長 
歴史公文書等の移管、収集、整理、保存等を着実に遂行していくためには、都の組織や業務に熟知していることが必要です。また、都民などが利用請求する特定歴史公文書等については、職員が個人情報の有無等を適正に判断し、利用させるか否かの行政処分を行うこととなります。こうした業務を着実に遂行するため、新公文書館は都職員で運営を行うこととしてございます。
 職員の体制につきましては、現在、十六名の常勤職員と十三名の非常勤職員を配置しておりますが、開館に向けて必要な体制を整備していくとともに、館長については、行政系の課長級職員の中から有為な人材を引き続き配置してまいります。

○両角委員 
直営の理由をお話しいただきました。それなりに理解はするところであります。
 館長については、今までのジョブローテーションの中で、行政系職員の中で有為な人材を配置するということでありますが、多分これは、今、設置をされている都道府県の三十三の公文書館の中で一番すばらしいものだろうと私は思いますし、それに見合った中身の運営をしていただきたいと思いますし、最終的には、十年ぐらいたった暁には、この東京都の公文書館に行って、文書管理、文書の保存あるいは文書の公開、そういうノウハウを身につける、そんな全国のセンターのような、リーダーとしての立ち位置になっていただきたい、そんなことも期待をするわけでございます。
 そこで、公文書館法では、公文書館には専門職員、その他必要な職員を置くものとされているわけでありますが、新公文書館の専門職の活用方針と配置計画について伺います。

○西山総務部長 
現在、公文書館においては、一般の行政職員以外に、専門職種である史料編さん職の職員や、資料保存やレファレンスなどの専門知識を有する非常勤職員を配置し、歴史公文書等についての調査研究のほか、収集、修復、保存、公開等の業務に当たっております。
 今後は、こうした職員を国立公文書館が主催する専門研修に派遣し、専門性の一層の向上を図るとともに、非常勤職員の積極的な活用など、計画的な配置に努めてまいります。

○両角委員 
専門性を持った非常勤職員の積極的な活用というご答弁をいただきました。
 今の時代で都の組織、人員を拡充するというのはなかなか難しいかもしれませんが、しかし、本当に必要なところには人をつけるべきだと思います。そして、この公文書館が機能を充実することを考えれば、しっかりと充実をした、人を要求していっていいんだろう、そんなふうに思っていますので、総務局としてしっかり、総務局内の要求かもしれませんが、本当に必要な人材を要求してほしいと思いますし、先ほどの館長についても、場合によっては外部人材を持ってきてもいいんじゃないかと私は思っております。
 ただジョブローテーションで課長職を持ってくるというよりも、これをやってみたい、この館を、今まで公文書館行政にも、あるいは文書管理行政にも携わってきたけれど、さらにこういうすばらしい施設を新しく動かしていくことをリーダーシップを持ってやっていきたいという職員に手を挙げてもらうとか、そういうことも考えていただきたい、こんなふうに思います。
 ところで、新公文書館の開館の時間について伺いたいのですが、新公文書館の開館日及び開館時間については、別途、規則で定めるということになっているわけでございまして、現段階では、日曜、祝日を休館日として、月曜日から金曜日、さらに土曜日、月曜日から土曜日の九時-五時を開館する方向で調整しているというふうに聞いているわけでございます。
 一方で、先ほど来の施設、今、空き地になっていますけれど、ここに新公文書館ができる。ここが都立図書館である。
 都立多摩図書館については、やはり公の施設として直営で運営をされております。内部は業務を切り分けて委託しているところもありますが、都立多摩図書館は、同じように並列して並んでいる東京都の施設。そして、ちょっと性質は違いますけれど、多くの都民あるいは国民を相手にする施設であって、どんな運営がなされているかというと、開館は、月-金が十時から二十一時、夜の九時までオープンをしています。土曜、日曜、祝日もオープンをしております。土曜、日曜、祝日については十時から十七時半と、基本的に通年開館なんですね。九月は、二日、木曜日と金曜日、飛び飛びでお休みの日が設定されていました。十月も、木曜日と金曜日、飛び飛びで休みが設定されていました。年末年始は、二十八日から一月四日とか、それが休みで、もう一月五日とか、暦どおりに、官庁と同じようにオープンをするということでございます。
 今、公文書館の担当の所管からいただいた事前の資料では、隣接する東京都立多摩図書館との連携をしていくということをうたってあるわけであります。あるいは、今まで以上にデジタルアーカイブとか企画展を開いて利用者の裾野を広げる、そういうことも想定をされているわけであります。こういった新しいコンセプトに立つのであれば、今、規則で月-金の九時-五時ですよ、土曜もあけますけれどという、それでは不十分じゃないかなというふうに私は強く感じます。
 多摩図書館との連携や利用者層の拡大を図るといった新公文書館の趣旨からすれば、より多くの一般都民等が利用しやすい開館日、開館時間として、新公文書館のコンセプトを具現化するということが必要だと思いますけれど、開館日と開館時間について所見を伺います。

○西山総務部長 
新公文書館につきましては、都民に広く利用していただけるようにする一方、行政による利用にも対応していく必要がございます。
 開館日につきましては、都民の利便性向上のために、新たに土曜日に開館をするとともに、現在、日々の行政執行に必要な自治体関係者による閲覧が多いことを踏まえまして、引き続き平日も開館する方向とし、開館時間につきましては、午前九時から午後五時までを予定してございます。
 これに加えまして、企画展については、週末の開館時間の延長及び一部日曜日の開館を検討しております。

○両角委員 
今日、図書館の館長さんとか、いろいろお話もしてまいりました。夜間帯の利用も、学生さんを中心に非常に多いということでありましたし、後ろがこれもすばらしい公園なんですよ。歩いてみると、池があり、噴水があり、その噴水から見ると、多摩図書館と新公文書館が並んで、新公文書館の方がやや重厚感がある、そんな建物でありますけれど、そういう並びになっている。
 ですから、図書館については、お散歩をした家族連れが、土曜日とか日曜日とか、よく来るそうです。その流れで、すぐ横にある立派な同じような都立施設に行こうと思ったら、そこは休みであったと。企画展や通常の展示をやっているというふうにうたっても、それは休みなんだというと、ちょっとがっかりしてしまうのではないかということもありますので、この面については、条例が成立したのと同時に、公布と同時に、規則も一体で出していかなきゃいけないから、もう事務手続的にこれが精いっぱいですよという、そういうお役所の発想に陥らないで、しっかりこのすばらしい、多分、日本でも一番、二番の公文書館です。こんなことをいってはあれですけど、建物自体は国立の公文書館なんかよりも全然いいと思いますよ。
 ですから、そういったものを、中身の運営まで含めてすばらしいんだというふうにしていただきたいと思いますので、規則をつくるときに、ぜひともこれは柔軟な対応を、まさに今、やわらかい心で、そういう総合的な見地に立って考えていただきたいということを強く要望させていただきたいと思います。

 次に、東京都公文書の管理に関する条例の一部を改正する条例について伺います。
 一昨年、東京都におきましては、東京都公文書の管理に関する条例が制定をされたわけであります。
 今般の条例一部改正は、新公文書館の設置を受けてということでありますが、主な改正点を伺います。

○西山総務部長 
主な改正点は三点ございます。
 一点目は、保存期間満了後の措置として、公文書館への移管または廃棄をあらかじめ決定し、移管の決定をした公文書については公文書館において適切に保存すること。
 二点目は、公文書館で保存している歴史公文書等について、利用請求を新たに制度化すること。
 三点目は、学識経験者など第三者から公文書管理制度にご意見をいただくために、東京都公文書管理委員会を新設することでございます。

○両角委員 
利用請求の権利であったり、東京都公文書管理委員会が新たに設置をされるということでございました。
 そこで、今回の条例一部改正で、知事の附属機関として設置をされます東京都公文書管理委員会について、その目的と機能を伺います。また、委員会構成メンバーを現時点でどのように考えているのか、伺います。

○西山総務部長 
東京都公文書管理委員会は、公文書管理制度の円滑かつ適正な運用のために新たに設置するものでございます。
 委員会は、保存期間満了後の公文書の移管または廃棄を定める際の指針となる移管基準ガイドラインの制定や改正など、重要事項についての審議や、利用請求に対する処分等に係る審査請求についての審議を行います。
 委員については、公文書等の管理に関してすぐれた識見を有する者の中から選任することとし、文書管理、アーカイブズ学に精通した学識経験者のほか、弁護士などを予定してございます。

○両角委員 
現在、都の公文書は、東京都文書管理規則により、資料請求でも出てきておりますが、文書保存期間が一年未満から長期--これは永年ということのようでありますが--まで六種類が定められております。作成された公文書が具体的に上記のどの保存期間に該当するかということについては、都の文書管理規則で、分類や区分に応じて、概括的に基準が別表に定められているということであります。実務の上では、この基準別表に照らして、文書ごとにそれぞれが何年保存であるかを各局が局ごとに決めているのが実態ということであります。
 今、情報公開におきましても、文書そのものが不存在ということになれば、そもそも、一般の都民、市民が情報を知るすべがなくなってしまうということでありまして、その意味で、公文書の保存年限の決定というのは大変重要な意味を持つんだと私は理解しているところでございます。
 今後、より適正な公文書の管理を進めていくためには、局ごとに決定をされる保存年限の適用のばらつきをなくして、標準化をしていくことが必要ではないかと考えます。
 そのためには、文書所管の担当局である総務局が、各局が局ごとに定めている文書保存期間表を全庁的に統一する視点から、一回、チェックをして見直す作業が必要だと思いますが、見解を伺います。

○西山総務部長 
公文書の保存期間は、お話にございましたように、文書管理規則でその基準を定め、各局はこの基準に基づき保存期間表を定めております。
 さらに、各局に共通する事項に関しては、総務局が具体的な保存期間を明示し、局ごとの取り扱いに差異が生じない仕組みとしてございます。
 また、総務局では、平成三十年度から、文書課の職員が各局に赴いて、公文書の管理状況を実地にチェックする取り組みを行っております。
 今後は、こうした機会も活用して、保存期間の設定状況について計画的に確認してまいります。

○両角委員 
ご答弁いただきましたように、各局の共通事項については差異がないんだということであります。
 一方で、各局の共通事項以外の局独自の文書というのがあると思います。事業局であったり、政策企画局であったり、性格の違う仕事をしているわけでありますから、そこで、じゃあ、何かの決定については、保存期間は、うちの局は何年だねというのは、それは基準を参照しながらオリジナルに決めているというのが実態であろうと思いますので、今ご答弁にありましたように、今後は、この保存期間の設定状況について計画的に確認をしていただけるということで、文書担当所管局がしっかりと、そのばらつきというかな、これは何年期間というので間違いないでしょう、正しいでしょうということを、一回、棚卸しというか、総チェックをしていただけるように改めて要望をさせていただきたいと思います。
 ところで、国立公文書館長の加藤丈夫さんは、公文書に関する我が国が取り組むべき課題を二点挙げているわけでございます。
 一つは、しっかりした研修が実施をされていない、だから、しっかりした研修がこれから大切なんですよということをいっている。もう一つは、専門家が決定的に不足しているということを挙げています。専門家であるアーキビストの育成が必要だと、このように国立公文書館長さんはおっしゃっているわけであります。
 これは、東京都においても、全庁の文書管理をこの際レベルアップしていくためにも、総務局の担当セクションには外部から専門家を配置することも検討していいのではないか、このように思いますけれど、見解を伺います。
 また、研修につきましても、各局文書担当には、より専門性の高い研修を実施するとともに、一般の職員の方々に対しても、質、量ともにその内容を充実させていくべきだと考えますが、見解を伺います。

○西山総務部長 
専門家の配置については、今回の条例改正では、専門的見地から調査審議いただくため、学識経験者などから成る東京都公文書管理委員会を置くこととしております。
 また、これまで文書課や各局で行っている研修に加え、今後は、専門性を有する公文書館職員による新たな研修を行うこととしてございます。
 今後とも、外部の専門家の意見を取り入れることや研修内容の見直しを行うなど、公文書の適正な管理を一層推進してまいります。

○両角委員 
ここで条例改正もありますし、あるいは公文書館もあれだけ立派なものがここででき上がってくるということで、ハード、ソフトともに環境が整備をされてくるということであります。ぜひとも、今いったように、中身の人材のレベルアップも図っていただくと同時に、先ほどもお話ししましたが、東京都の公文書館が、そもそも、全国の県の公文書館から学びに行こう、あそこに研修に行けばといわれるように十年後を目指していただきたい、このように思います。
 ところで、公文書の適切な管理と情報公開というのは、当然、表裏の関係にあります。この表裏の関係にあるわけでありますが、私、前から感じているんですけれど、公文書を所管するのは総務局、一方で、情報公開を所管するのは生活文化局と、違う局が表裏のことをやっているというのが今の東京都の体制なわけでありますけれど、今、情報公開の推進ということを政策の大きな柱に据えて取り組んでいるのが小池都政です。
 こういう小池都政にあって、透明性と信頼度をより高めた文書管理と情報公開を進めていくためには、この所管組織を一体化して総合的な政策推進を図っていくべきではないかと思いますけれど、見解を伺います。

○西山総務部長 
情報公開を進めていくためには、その土台となる公文書の適正な管理が重要でございます。こうしたことから、実務においては、文書総合管理システムと情報公開システムを連動させ、円滑な情報公開に努めております。
 文書課では、公文書管理制度の運用のほか、条例の立案、法令解釈等、広範な業務を行ってございます。
 今後も、適正な公文書管理に努め、情報公開担当とも緊密に連携してまいります。

○両角委員 
検討はしていただきたいんですよね。
 例えば、今回、この定例会に出されている第百四十八号議案、これは何かというと、東京都情報公開条例の一部を改正する条例であります。この条例は文教委員会に付託をされているんですね。
 本来であれば、この公文書館条例や、あるいは文書管理の問題と一体で、同じ局で審議をされるべきではないかと、私はそう思っています。総務局でやるべきじゃないかと。両方の面から、きちっと同じ委員会で審議がなされるべきではないか。同じように取り扱う業務を二局にまたがることによるそごというのがあるのではないかと思いますので、今、実務上は連携をして進めていただいているということは理解いたしますけれど、しかし、今後、小池都政というのは、しっかりした文書管理、そして、片方にしっかりとした情報公開を進めるという立場で進んでいるわけでありますから、その部分もぜひとも前向きに考えていただきたい、このように要望させていただきたいと思います。
 文書管理の最後の方になるんですが、電子決裁について伺いたいと思います。
 東京都では、今、判こレスということを掲げまして、行政文書の電子決裁化を進めているところでありますけれど、電子決裁のメリットとしては、ペーパーレスによる、当然、紙の使用の削減、あるいは、一番大きいところは文書の改ざんの防止ではないかと思いますし、あるいは決裁時間の短縮、意思決定にも影響を与えてくるのではないかなと、そんなふうにも思います。
 そこで、都庁内の電子決裁導入実施状況を伺いますとともに、今後の公文書のデジタル化推進について伺います。

○西山総務部長 
都では、総務事務改革の一環として公文書の電子決定を推進しており、令和二年度末には八〇%を目標に、年度ごとに電子決定率の目標を設定し、全庁を挙げて取り組みを行っております。
 平成三十年度は、特に総起案数の過半数を占める課長決定事案における電子決定の徹底に取り組んだ結果、三十年度末は、三〇%の目標に対し三八・二%の実績となりました。
 今年度は、書面決定理由の最も大きな割合を占める契約、支出関係の起案文書の電子化に重点的に取り組んでございます。
 今後も、目標の達成に向け、公文書の電子化を進めてまいります。

○両角委員 
今、公文書館あるいは公文書管理条例の一部を改正する条例等々について伺ってまいりましたが、今回、一つの節目であると思います、東京都のこの文書管理等々について。ですので、この機に、都の公文書管理と情報公開を、より一層、都民から信頼される、全国に誇れるものとしていくべきではないかと思いますが、局長の決意を伺います。

○遠藤総務局長 
都政の透明化、見える化を進めていくためには、情報公開の基盤である公文書の適正な管理が何よりも重要でございます。
 平成二十九年度に公文書の管理に関する条例を制定いたしまして、公文書管理の理念と文書による事案決定の徹底や、政策の形成過程を明らかにする文書の作成義務を規定するなど、全庁的なルールを確立し、さまざまな機会を捉え、制度の定着に取り組んできたところでございます。
 今回の改正では、来年四月の新公文書館の開館に合わせ、後世に残すべき公文書を確実に移管し、都民が利用できる制度を導入するとともに、学識経験者など第三者により構成される東京都公文書管理委員会を新たに設け、適正な公文書管理についてご意見をいただくなど、透明性の向上を図ってまいります。
 委員からお話がありましたように、将来振り返ってみたときに、今回の公文書館の開設が極めて重要なエポックになった、そのように評価されるよう、局一丸となって適正な公文書の管理に取り組むことで、より一層、都民に開かれた都政を実現してまいります。

○両角委員 
期待したいと思います。
 引き続きまして、事務処理特例を活用した事務移譲について伺いたいと思います。
 二〇〇〇年の地方分権一括法の施行によりまして機関委任事務制度が廃止をされ、そして、条例で都道府県事務権限の一部を市町村に移譲できる事務処理特例制度が創設をされたわけであります。
 そこで伺いますけれど、この制度創設以来、二十年近くがたっているわけでありますが、都の市区町村への事務移譲の現状を伺います。これまで、どのような事務がどれほど移譲されているのか、また、事務移譲に係る具体的な都と市区町村の協議について伺います。

○佐藤行政部長 
都はこれまで、事務処理特例制度によりまして、屋外広告物の規制に関する事務や、心身障害者の医療費の助成に関する事務など、特別区に八十四項目、市に七十七項目、町村に三十項目の事務を移譲してまいりました。
 事務の移譲に当たりましては、地方自治法の定めによりまして、市区町村と協議を行う必要がございます。
 そのため、都におきましては、特別区長会、東京都市長会、東京都町村会を通じまして市区町村に協議を申し入れまして、実務担当者レベルでも協議を行いまして、合意を得た上で事務移譲を実施しております。

○両角委員 
これまで、特別区には八十四項目、市に七十七、町村三十というお話でございました。どうも都からのアクションで事務移譲というのが動き出している、市区町村に対してですね。そんなふうに理解をさせていただきました。
 東京都の事務が区や市や町村の事務に移譲される、そうすると、当然、受けた自治体は、人、マンパワーを割かなきゃいけない、お金を使うということになるわけであります。
 そこで、移譲された事務に係る財源措置について伺いますが、財源措置については、事務処理特例交付金によりなされているわけでありますが、具体的な交付金の算定方法について伺います。

○佐藤行政部長 
事務処理特例制度により移譲された事務の経費につきましては、地方財政法の定めにより、都道府県が必要な財源の措置を講じることとされております。市区町村に対して事務処理特例交付金を交付しております。
 具体的な交付金の算定方法につきましては、移譲対象となる事務ごとに処理時間や人件費を勘案した単価を設定いたしまして、その上で、その単価に処理件数の実績を乗じて各市区町村の交付額を算定しております。

○両角委員 
具体的な方法を教えていただきました。単価設定をし、そして、実績に応じてお金を払うということで、合理的なやり方をされているというふうに思います。
 ただ、市区町村のサイドから見ると、その単価が合理的で適正なのか--単価設定ですね--という点がちょっと疑問として……。わからないですよ、実際には。私としてはあると。だから、現実に市区町村に超過負担が生じていないのかということが問題だと思います。
 今回の条例改正に当たっても、例えば受動喫煙防止条例の事務は、保健所を持っている政令市や区に行くわけでありますけれど、これはどのぐらいの事務量があって、どのぐらいがふさわしいんですよということをきちっと、実際の事務を執行してくれる市区町村の意見を聞いて、適切に実施すべきだと思います。
 以前、私は選挙の費用--選挙の費用も同じ構造にあるんですね。選挙の費用は、東京都の選挙だったり、国の選挙だったり、単価が決まって、その費用は、国政選挙だったら国が出す、都の選挙だったら都が出す、そういうシステムですけれど、超過負担が生じているんですね、実際は。一生懸命、投票率を上げようと思えば思うほど、そういう努力をすればするほど超過負担が出ているという実績を示して、ちょっとそこは努力してくださいねといったことがあるんですけれど、こういった事務移譲についても、やはり事務を受ける方が嫌になっちゃうよということがないように、そこはしっかりと区市町村と意見の交換を密にして実施していただきたいということを要望させていただきたいと思います。
 次に、事務移譲が行われるということは、基本というか、東京都の事務が、区や、あるいは市や町村に移るということですから、そのように考えれば、理論的には、都でこれまでその当該の事務を担当していた部署の事務量というのは減るんだということになりますよね。
 こうした事務量の変化に柔軟に対応して、東京都の体制を速やかにシフトしていくべきだ、これが筋だと考えるんですけれど、事務移譲した後の都組織の対応について伺います。

○佐藤行政部長 
近年、事務処理特例制度により移譲される事務は、法改正などによりまして新たに発生した事務となっております。
 今回、本定例会におきまして議案としてご提案し、移譲を予定しております受動喫煙防止条例に基づく事務や、マンションの適正な管理の促進に関する条例に基づく事務は、条例の制定によりまして新たに発生する事務を区市に移譲するものとなっております。
 今、両角理事からお話がございましたとおり、原則といたしまして、事務の移譲や新たな事務の発生など、事務量の増減が生じた場合には、それぞれの事務量に応じまして、効率性の観点などから、人員配置をシフトするなど適切に対応することが必要であるというふうに考えております。

○両角委員 
ありがとうございます。その事務量に応じて適切に対応することが必要であるというご答弁をいただきました。
 先ほど来お話がございました、七十七とか三十とか、東京都から基礎自治体に事務移譲した事務について、それが新たな事務なのか、あるいは東京都が今まで持っていた事務が行って、東京都が身軽になったのかというのを、実は、所管の担当課長さんとお話をやりとりしている中では明らかになりませんでした。把握を十分されていないんじゃないかというところもありましたので、しっかりと事務移譲の原点というか、それは事務量がふえればふえるということもあるでしょう。しかしながら、事務を渡して区市町村がやっているのに、東京都が減ったのに、その体制が何ら変わらないとか、そういうこともあってはならないと思いますので、ちょっとそこら辺をしっかり調査もし、対処をしていただきたい、このように思います。
 事務処理特例と同様に、元来、東京都に属する事務を住民に身近な基礎自治体で処理できるようにした仕組みとして中核市制度がございます。私の地元の八王子市は、二〇一五年に中核市の指定を受けました。その結果、まちづくりを初めとした多くの事務をみずからの権限で行うようになりました。こうした権限の中には、都の重要な施策に関連するものも含まれているわけでございます。
 東京都は、国の基準以上の、例えば上乗せをし、あるいは横出しをし、都独自の政策メニューを用意して、そして課題解決に取り組んできた。象徴的なのが、小池知事が就任をされてから三年で待機児童が五千人減ったということでありますけれど、これも、例えば保育士さんの家賃を補助するという、都が新規に補助メニューをつくったり、そういうメニューをいっぱい出しているわけであります。
 そういったことによって政策効果が出てきているということなんですが、都内で唯一の中核市である八王子市というのは、実はこうした補助を活用することはできません。これは、みずから中核市として名乗りを上げたからなんですけど、必要に応じて市単費で対応しているというのが実態なわけであります。
 基本的に単独費対応をせざるを得ない八王子市にとって、しかし、東京都の予算の発表があって、隣の日野市では使える新規の補助ができましたとかいうと、八王子市は困っちゃうんですね。ですから、新規の補助創設の事前の段階で、情報提供や都との意見交換があれば、その後の対応も八王子市もやりやすいだろう、このように考えるのですが、見解を伺います。

○佐藤行政部長 
中核市は、身近な市町村でできるだけ行政を行うことができるようにするため、政令指定都市に次ぐような規模、能力を有する都市の事務権限を充実するために設けられた制度でございます。
 中核市の指定を受けることによりまして、法定移譲事務に関連する都単独事務や補助金は、原則といたしまして、その市がみずからの責任と判断のもとに実施すべきものではございますが、八王子市からの要望を受けまして、昨年度から、中核市が対象外となる都単独事務、都補助金を調査いたしまして情報提供を行っているところでございます。
 今後とも、適切な機会を捉えまして情報提供を行っていく考えでございます。

○両角委員 
適切な機会を捉えて情報提供していただけるということでございます。ありがとうございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 最後になります。この事務処理特例による事務の移譲は、メリットがあるから実施をするんだというふうに理解いたします。東京都は、事務を身近な区市町村にやってもらって身軽になって、その分、広域的な視点からの行政に注力をできるとか、あるいは区市町村は、戦略的に事務移譲を受ければ、ひょっとしたら自分のまちづくりがやりやすくなるという使い方もできるのではないかと思います。
 都と市区町村が、この制度の意義、メリット、そういうことも十分に理解をし、東京都は積極的に市区町村への事務移譲をサポートすることが重要ではないかなと私は考えます。
 そこで、事務処理特例を活用した事務移譲について、都の考え方と今後の取り組みを伺います。

○佐藤行政部長 
住民に身近な行政は、基礎的自治体である市区町村の判断と責任のもとですることが地方分権の理念であると考えております。
 こうした考えに基づきまして、都はこれまでも、事務処理特例制度などを活用しながら、個別の事務につきましては市区町村と協議を行いまして、身近な事務権限を移譲してまいりました。
 今後とも、都は、市区町村がその規模や能力に応じまして、主体的な判断によりまして地域の実情を踏まえたサービスを行えるよう、適切に対応してまいります。