前東京都議会議員 両角みのる
2019年2月1日

○両角委員 
私からは、東京二〇二〇ライブサイト等基本計画(案)について伺いたいと思います。
 この委員会で、他の委員の方々からライブサイトについてご質問されて、多岐にわたってあったわけでございますが、そうした中で、一月二十五日付で発表されましたライブサイト基本計画案でございますけれども、この案がいつとれて正式な基本計画となっていくのかということで、まず、今後のスケジュールについてお聞かせをいただきたいと思います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 
東京二〇二〇ライブサイト等基本計画(案)につきまして、今後は各会場にふさわしい実施内容、運営についてさらに検討するとともに、検討中としている多摩地域会場の具体的な場所の選定を進め、関係者のご意見を踏まえた上で、年度内に東京二〇二〇ライブサイト等基本計画を決定する予定でございます。

○両角委員 
よくわかりました。年度内に計画として決定をしていくということで、その前提として、今回追加となった多摩地域の会場、具体的な場所の選定を済ませると。そういったお話でございました。
 そこで、多摩地域の追加施設について伺いたいと思うんですけれど、もともとこのライブサイトについては、都内八カ所というのが当初の考え方でございまして、多摩地域については一カ所だけだという話があって、そうした中で、いろいろな会派から、あるいは、もちろん我々の会派からも、多摩地域に一カ所だけではバランスに欠けるんではないか。多摩地域にもう一カ所はライブサイトをつくっていただけないかという要望をしてきたわけでありますが、今般のこの計画案の中で、多摩地域に新たな施設を追加するということになったことについては、高く評価したいと思います。
 しかし、現行で考えられていたのが、多摩地域では井の頭公園ということでありました。井の頭公園は、多摩全体をエリアで見ると、区部隣接の東寄りのエリアでありますから、新たな施設については、多摩の南部エリアや、あるいは西部エリアからアクセスがよいところを考えていかなくてはいけないだろうというふうに思いますし、このライブサイト、都のパブリックビューイングを核とする盛り上げ会場という位置づけでありますが、しかしながら、こういった施設は人が来やすいところ、ある程度のキャパがあるところ、そして三十日間、この期間中、使用ができるという条件を兼ね備えていなくてはいけない。
 アクセスのみならず、そういう条件をあわせて兼ね備えているということであれば、なかなかこの条件を備えたところを選定するというのは相当限られてくるんではないか。このように感じるわけでありますけれど、この多摩の追加施設については、いつまでに、どのような観点で選定をしていくかについて都の見解を伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 
今回、都のパブリックビューイングを核とする盛り上げ会場として追加することとした多摩地域会場の選定に当たりましては、これまでの基礎的な調査や検討の状況を踏まえるとともに、大会三十日間の使用が可能であるかどうかに加え、地域バランスなども考慮し総合的に検討してまいります。
 これらの検討を早期に実施し、関係者のご意見も踏まえ、年度内の計画策定に向けて具体的な場所を確定する予定でございます。

○両角委員 
今、多摩の追加施設については、当然、関係者、地元自治体もあるかもしれませんし、あるいは警備関係とかそういうところもあるのかもしれません。
 年度内の計画策定に向けて具体的な場所を確定するということで、年度内に選定をしていきたいんだと。地域バランスという話がありましたが、ぜひ、先ほどの東に井の頭公園があるということに対して、多摩の交通網等をよくしんしゃくしていただいた上で、バランスをとった施設を選んでいただきたい、このように思うわけでございます。
 次に、ライブサイト等の運営に係る経費について伺いたいと思います。
 ライブサイト等の基本計画では幾つかの考え方が示されていて、被災地のライブサイトもありますし、コミュニティライブサイトもあります。そこら辺をひっくるめて、大体このライブサイト運営に係る都の経費というのは、どの程度を見込んでいるんだろうということで確認をさせていただきたいと思いますが、お答えいただきたいと思います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 
来年度は、東京二〇二〇ライブサイト等の計画準備に係る費用として約二億円を見込んでおります。
 また、二〇二〇年度については、都内及び被災地会場における大型ビジョン等の機材やスタッフ、警備員の人件費等、運営に係る経費として約四十五億円を見込んでおり、債務負担として予算計上しております。
 このほか、二〇二〇年度にさらに計上が必要な経費として、ライブ中継等に伴う放映権料などが想定されております。

○両角委員 
今お答えをいただきまして、来年度が二億円、三十一年度ですね、新年度予算。二〇二〇年度、オリンピックの開催年には債務負担行為で四十五億円ということで、単純にいうと四十七億円プラスアルファだというようなお答えでございました。
 このお金の中で、ここに出てきている幾つかの位置づけのあるライブサイト、あるいはパブリックビューイングを核とした盛り上げ施設等を設置、運営していくということであります。
 特にコミュニティライブサイトについては、各自治体が手を挙げてやっていくということになると思います。そして、それについては、今回の基本計画案の中でも、都が支援をしていくということが明確にうたわれているわけでございますが、各自治体が取り組んでいくに当たって、では、どのぐらいの規模のことをできるのかなというのが、その規模感、あるいは何カ所できるだろうというような、それも東京都の支援、いわゆる補助金額にもよるんだろうというふうに思いますので、そこら辺も今後、各自治体にしっかり伝えていただきたいなと、こんなふうに思うわけでございます。
 次に、被災地のライブサイトについてお聞きをしたいと思います。
 もともとこの二〇二〇大会、最初の計画時点で、大きな柱のテーマが復興五輪ということでありましたから、被災地が復興している姿を世界に見せていくんだと、そういうことが一つの大きなコンセプトであったということでありますから、今般、この被災地ライブサイトを、東北三県のみならず、熊本についてもしっかり設置していくということは大変意義があることである、このように感じているわけであります。この被災地のライブサイトについては、地元自治体のかかわりや役割分担というのはどのようになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 
被災地東京二〇二〇ライブサイトは、都と組織委員会が共催で、東北三県と熊本県で実施するものでございます。
 被災地の会場については、各県と調整し実施場所を選定いたしました。各県には会場使用に関する調整や地元の方々への広報、ステージイベント出演者の調整などの協力を求め、連携して取り組んでいく予定でございます。
 ライブサイトの実施を通じて被災地に元気を届けることができるよう、各県と密接に連携し、大会を盛り上げてまいります。

○両角委員 
復興五輪のコンセプトというのは、ちょっと薄らいじゃっているかなというふうに私は感じているんですが、このライブサイトは、そういった意味で被災地の皆さんが直接に五輪にかかわれるという、そんな場だろうと思います。しっかり地元の自治体の皆さんの地の利を生かした人脈とかノウハウとかを生かしていただいて、その地域地域にふさわしいライブサイトの展開をしていただくように期待したいと思います。

 次に、ライブサイト等の運営について伺いたいと思います。
 こちらの東京二〇二〇ライブサイト等基本計画(案)の中では、午前十時から午後九時ごろというのがライブサイトの開催時間とされているわけでありますが、例えば競技大会のセッションスケジュールを見ると、バレーボールなんかは二十三時三十分までやっているというのが結構多いんですね、枠で。
 あるいは、今マラソン、暑さ対策で七時とか六時とか五時というような案も出ているようでありますが、そうすると、まさに一番日本選手が活躍をするような競技で、それがライブでやっている時間に、このライブサイトでみんなで楽しめるという形でないと意味が半減してしまうんではないかなというふうにも感じるわけでありまして、そういった意味で、十時から九時ごろとされているライブサイトの開催時間、施設の場所等の特性もあるでしょう、あるいは競技時間も考慮して柔軟な対応が必要だと思いますけれど、都の見解を伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 
各会場の開催時間については、競技が多く実施される時間帯である午前十時から午後九時ごろを中心に、競技の放映スケジュールや各会場の立地特性などを考慮し、今後、個別に検討、調整を行っていく予定でございます。

○両角委員 
今ご答弁がございましたけれども、柔軟に対応がしていただけるものと要望もしますし、期待をしているところでございます。
 次に、運営の中で幾つか、この基本計画案の中でもセキュリティーとか暑さとか多言語対応とか医療体制、ボランティア等、対応に留意すべき事項ということで芽出しがされているわけでございまして、まさにこういう点は十分な準備が必要だろうと思うわけでありますが、特にWi-Fiの環境も当然準備をしていくということであろうと思いますけれど、十分な対応をしていっていただきたいと。
 要は、多くの方が、外国からの方も含めて情報を今スマートフォン等、端末で見られると思います。そうしたときに、かなりの人数が使っても対応ができる十分なそういう対応をしっかりしていただきたいということ、これは要望をさせていただきたいと思います。
 もう一つ、私は留意をすべき点ということで、トイレということを挙げたいんですね。いろんなスポーツイベント、あるいは我々が外国に旅行に行って観光した、そのときにトイレが、例えば非常に混んでいてなかなか入れないとか、あるいは非常に不潔であったということになると、その都市の印象自体も決めてしまうということがあるんではないかと思います。
 そこで、会場内のトイレについては、障害者の皆さんの対応もしっかり対応するのはもちろんのこと、質、量ともに十分に確保するとともに、特にオペレーション、清潔に保つということが重要だと思いますけれど、都の見解を伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 
東京二〇二〇ライブサイト等会場には、多くの観戦客が訪れることが見込まれているため、来訪者の方々が快適に過ごせるよう、必要性を踏まえて仮設トイレの設置を検討する予定でございます。
 必要数の確保も重要でございますが、来訪者が快適に使用でき、車椅子の方など、障害者も利用しやすい仮設トイレの設置を検討してまいります。
 また、来場者に清潔な状態で気持ちよく使っていただけるよう、適切に清掃も行ってまいります。

○両角委員 
今、日本に外国からいらした方がいろんなことに驚いたり、あるいは、これはすごいなと思っていただけることがいろいろあると思いますが、その一つが日本のトイレだということだそうでございます。
 多分、世界で一番清潔な、そしてハイテクなトイレが日本ではないかな。日本の国の、ライブサイトも含めていろんな会場に来たときに、今、SNSでさまざまなものを発信しますけれども、そういった日本の文化として日本の清潔なトイレ文化というのを発信していただけるような、そのぐらいの気持ちで取り組みを進めていただきたいと思います。
 次に、コミュニティライブサイトについて伺いたいと思います。
 コミュニティライブサイトは、各区市町村が実施をする、区市町村でやっていくということだろうと思いますが、このコミュニティライブサイトについては、今回の基本計画案の中で補助をしていくという方針が明確に打ち出されておりまして、これは大変評価ができると同時に、各自治体にとっても、これは大変うれしい知らせではないか、このように思うわけであります。
 一方で、先ほどちょっと話をしましたが、規模感というのもあると思います。そして、各自治体の準備が当然あります。どういう形でやっていくのかなということを早く情報を伝えるという必要があると思います。
 そこで、コミュニティライブサイトについて、ガイドラインを早期に策定して早目の対応をしていただきたいと思いますけれど、都の見解を伺います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 
東京二〇二〇大会の盛り上げのためには、都が実施する国内外の観戦客を広く受け入れる広域的なライブサイトに加え、市区町村が身近な場所で実施する地域のコミュニティライブサイトの取り組みを推進することが重要でございます。
 コミュニティライブサイトのガイドラインについては、現在、組織委員会が鋭意策定を進めているところでございます。
 都は、ガイドラインが公表され次第、速やかに市区町村に情報提供を行うとともに、各種相談対応等を実施することで市区町村の取り組みを後押ししてまいります。

○両角委員 
区市町村も予算の対応等もありますので、先ほどの補助の金額等々も含めて、これは早目に伝えていただいて、区市町村が十分な準備ができるような、そんな環境を整えていただきたいと思います。
 このライブサイトの最後の質問ということにさせていただきたいと思いますが、前回のこの特別委員会の中でも他の委員から声が出ておりましたが、鉄路が十分でない郊外、多摩地域で鉄道が通っていないところもありますよね。そういったところでは、実は大規模なショッピングモールなどがコミュニティライブサイトとしては適当であるという見方があるわけでありますが、前回の特別委員会でもなかなか難しいんですよというお話がございましたが、しかし、現段階でコミュニティライブサイトとして、こういった大規模商業施設を活用するということへの見解についてお伺いしたいと思います。

○丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長 
東京二〇二〇大会のコミュニティライブサイト等における商業施設を含めた実施可能な会場の要件等をまとめたガイドラインについては、現在、組織委員会が鋭意検討しております。
 なお、大規模商業施設などにおけるコミュニティライブサイト等の実施につきましては、アンブッシュマーケティングや会場費等の課題があり、過去大会の際にはホールや公民館、体育館などの公共施設等での実施が主であったと聞いております。

○両角委員 
なかなか難しいところがあるようでございますが、特に郊外エリアについては、なかなか交通の結節点とかでうまく使えるようなところが限られてくるかもしれませんので、ぜひそういう地域もコミュニティライブサイトが展開できるように、東京都のフォローというか、助言等々をお願いいたしまして、質問を終わります。